さ、最低っ!
なにこの人!
権威をかさに着たセクハラ親父!!
あたしは悔しさに唇を噛んだけど、でもそう言われてしまったら、帰ることもできなくてその場に立ち尽くした。
席を立って、あたしの肩に手を掛けたのは大前さんだった。
「まあまあ、かりんちゃん、とりあえず座ろうか」
あたしが仕方なく座ると、立ち上がったときに少しこぼれたグラスの周りをホステスさんが拭いてくれた。
「お洋服は濡れなかった?」
おてふきも渡してくれ、新しい水割りも作ってくれた。
「本郷さんのも、頼むよ」
大前さんは本郷部長のグラスもホステスさんに渡した。


