あー、もう帰りたい!
作り笑いするのも苦痛になってきて、あたしは飲むことにした。
沈み込むように座っていたソファから少し腰を浮かせて、テーブルの水割りに手を伸ばした。
グラスを取り、再びソファに腰を下ろしたその時――
むにゅ。
お尻で何かやわらかいものを踏んだ感触……
「え?」と思うと同時にその何かがお尻の下でうごめいた。
手だ!
誰かの手が、あたしのお尻を揉んでる!!
「いやっ!」
あたしは思わず立ち上がり、本郷部長を見おろした。
案の定、本郷部長の手のひらが、あたしの座っていた場所にあった。
全員が沈黙した。
あ、まずい……
そう思ったけど、もうあとの祭り。


