翌日、約束の時間に喫茶店に行き、田所さんに会った。


「まったく、何で私があなたの原稿を見てあげなくちゃならないのよ」

「すみません」

あたしは頭を下げた。

「で?舜君の情報、何か仕入れてきたんでしょうね?」

ジロリとにらまれ、あたしは身を縮めた。

「あ、えーと、好きな料理はお寿司で、特に大トロが好きだそうです」

「ふうん、で?女の子の好みは?」

「えーと、好きになった子がタイプって言ってました……」


こんな答えじゃ納得してくれないよねぇ。

と思っていたら、やっぱり言われた。

「それじゃあ、意味ないでしょ!
もっと具体的に知りたいのよ。
髪は長い方がいいとか、服装はどういう系統が好みとか、そういうのはないの?」

あははは……そうだよねー、そういうのが知りたいよねぇ。