「そっか、好き嫌いはない?」

「うん、特にないな」

「じゃあ、一番好きな料理は?」

「うーん、寿司かな?
大トロははずせないな」

「ふうん、じゃあ、好きな女の子のタイプは?」


あたしはちょっと飛躍しすぎかなあと思いつつ、質問してみた。

しかし、案の定、突飛な質問だったみたい。

舜は眉間にしわを寄せた。

「……かりん、俺とより戻す気になったのか?」


あたしはブンブンと首を振った。

「ううん、そうじゃない、そうじゃなくて。
ただの世間話だよ、ハハハ……」

「ふうん。
でもべつにタイプなんてねーよ。
好きになった子がタイプだから」

「そっか……」


うーん、これじゃあ、手土産にならないよ。

でもこれ以上突っ込んだら、明らかに不審がられるよね。

あたしはそれ以上の情報を舜から引き出せないまま、ランチを終えた。