でも、水野さんの夢の足手まといにはなりたくない!
あたしは、頭を下げた。
「ご心配かけてすみませんでした。
あたし、マンガの新人賞のことでいっぱいいっぱいだったんです。
1月は合否がどうなるか心配でそれしか考えられなくて。
2月になって、落選がわかったら、すごくがっかりして。
だから、あたしが最近笑顔を見せてなかったのは、水野さんのせいじゃなくて、新人賞のせいなんです」
どうかな?
あたし、うまくウソつけた?
水野さんは、一瞬、あっけにとられた顔をして、その後、笑顔になった。
「あ、そっか。
そうだったんだ。
いや、ごめん、そうとは気がつかなくて。
そうだよね。
かりんちゃん、すごく頑張ったんだもんな。
そりゃそうだよな。
僕、なんかすごい勘違いしてたみたいで、ごめん」
水野さんは、頭をかいた。


