「あ、じゃあ、もしかして……
生理的に受け付けないって感じなのかな?」
水野さんに悲しげに言われて、あたしはきっぱり否定した。
「違います、そんなことないです。
水野さんのこと、嫌いなんかじゃないです!」
ああ、ここで、好きって言ってしまえたら、どんなに楽になれるだろう。
でも、そんなこと言えるわけない。
水野さんへの気持ちは消すって決めたんだから。
でも、さっきの水野さんのセリフでわかっちゃった。
水野さんは、一緒に働く仲間としてしか、あたしのこと見てないんだ。
あたしに嫌われると仕事がやりにくくなるから、関係修復のために、こうして話をする場を設けたんだね。
会社でのトップを目指す水野さんにとって、働きやすい環境づくりも大事なんだろうな。
なんか、それだけの関係なんだって思うと寂しいけど。


