あたしが黙っていると、水野さんは表情を曇らせた。 「イブの時の話なんだけどさ」 「はい……」 「僕のこと、軽蔑した?」 あたしは、力強く首を振った。 「そんなことはないです! 水野さんは、その、なんていうか、不可抗力だったと思うし」 うん、そうだよ。 水野さんは、美沙子さんにせまられて仕方なかったんだと思う。 考えなしに流されちゃったあたしとは違う…… あたしがそう答えると、水野さんは少し元気を取り戻したようだった。 「本当?」 「はい、本当です!」