「別に『リリア』編集部に知り合いがいようがいまいが、そんなこと関係なかったんじゃないの?」
「え?」
「舜君の気を引きたくて、遊論社の雑誌に応募したんじゃないのかって言ってるのよ」
「は?どういうことですか?」
あたしは田所さんの言わんとすることがちっともわからなかった。
「だから、遊論社に応募すれば、舜君とつながりができると思ったんじゃないかって言ってんのよ」
「遊論社に応募でつながり?」
あたしが首をかしげていると、田所さんはいぶかしげな表情を見せた。
「もしかして、あなた、本当に何も知らないの?」
「何をですか?」
「舜君のことよ」


