もうそのあとは、何を食べ、何を飲んだのかちっとも覚えていない。
すぐに帰ってしまいたかったけど、それじゃあまりに子供じみてる。
あたしは平気なフリして、「女の人の考えがわからない」って落ち込む水野さんに当たり障りのない返事をしてお酒につきあった。
居酒屋を出て、もう1軒行く?と聞かれたけど、もう無理って思ったあたしは、送ってくれるという水野さんを丁重にお断りして帰った。
あー、むしゃくしゃする!
美沙子さん、なんで婚約決まったっていうのに、この期に及んで水野さんに告白したりするのよ!
婚約者を選んだんだから、水野さんのこと好きだったって思いは、自分の胸だけに収めとけばいいじゃん!
水野さんもなんで美沙子さんを受け入れちゃうのよ!
婚約者がいる人を受け入れちゃダメじゃん。
もう!!
ああああああ!
水野さんも美沙子さんも、だいっきらいだぁぁぁ!!


