ドキドキしながら水野さんの返事を待ってると、水野さんはチューハイのジョッキを傾けてから軽く答えた。
「いや、ほんとに全然だって!
僕はいい友達、で終わっちゃうタイプみたいでさ。
ランチ行ったりする女友達はいるけど、それ以上にはならないんだよ。
総務のって、前にすれ違った時のことでしょ?
彼女は同期なんだけど、彼女だけじゃなくて同期の子とはよくランチとか飲みに行ったりとかするけど、それだけ。
男として見られてないんだよ、僕は」
えー、そんなことはないでしょ。
みんなしっかりアプローチしてるって。
それのに、水野さん、気づいてないのかな。
いや、それはないよね。
気づいてるけど、タイプじゃないからあえてスルーしてるとか?
でも、水野さん、本気で言ってるっぽい。
もしかして、水野さんって、天然?
だとしたら、ちょっと手ごわいかも……
あたしの気持ちにも全然気づいてないんだろうなあ。


