あたしはいったん家に戻り、久しぶりにおしゃれして気分を盛り上げ、夜の街に繰り出した。


有名な大通りの並木に、何万ものLEDの幻想的な光がきらめいていた。

テレビで見たのより、本物は何倍もきれいだった。

感激しながらイルミネーションを見上げ、たくさんの人の流れに乗って、ぶらぶらと並木道を歩いた。


それにしても、恋人同士の多いこと。

まあ、イブだしね……

しかし、いちゃつくカップルの間を一人で歩くのにうんざりしてきて、あたしは歩道橋に上がった。


「うわあ、きれい!」

高いところから眺める夜景は、視野が広がって更に美しかった。

この景色を描くとしたら、どうやって表現するかなあ。

この1ヶ月ですっかりマンガモードになってる頭は、ついそんなことを考え始める。

そんな自分の発想に気づいて苦笑いしながら、ヘッドライトやテールランプに目を落としていると――