「おー、かりんちゃん、おかえり!」
宴会場に戻ると、いつの間にか同期3人組の姿は消え、大前さんと舜だけになっていた。
「どこ行ってたんだよ」
舜に聞かれるだろうと思い、厨房に寄ってビール瓶を何本かもらってきていたあたしは、それを差し出しながら答えた。
「空き瓶を片付けて、トイレに寄って少し酔いを醒ましてから、ビールもらってきたの」
「かりんちゃんはよく気がつくねえ。
さっきの女の子たち、水野がいなくなったら、よそ行っちゃってさみしかったんだよー。
もう、かりんちゃんだけだよ~」
なんだか、大前さんもすかっり酔っ払い状態みたい。
それでも、まだまだ飲めるようで、大前さんはいろんな話をしてくれながら飲み続け、あたしと舜もとことん飲まされた。
あたしはもともとそんなにお酒に強いわけではないし、宴会がお開きになる頃にはもう頭も体もグラグラで、早くベッドに入りたい、とそればかりを考えていた。


