プルルルルルルル……
突然鳴りだしたケータイに、あたしは飛び上がった。
しかし、水野さんはびくともせずに寝息を立てていた。
液晶を見ると、舜だった。
あたしはそっと水野さんの頭を膝から下ろして電話に出た。
「はい」
「おー、かりん、どこ行ってんだよ。
大前さんが早く戻って来いって呼んでるぞー」
「はあーい、すぐ行くー」
あたしが話している間も、水野さんは熟睡しているようでピクリともしなかった。
しかたない。
あとで、戻ってきたときに起こせばいいよね。
あたしは、眠っている水野さんに毛布をかけ、一人、宴会場に戻った。


