あたしよりずっと背の高い水野さんを連れて行くのは大変だったけど、なんとか部屋にたどり着き、水野さんをベッドに寝かせた。
「……みず……」
苦しそうな声でつぶやく水野さんに、冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを出して手渡してあげた。
「どうぞ、お水です」
しかし、水野さんは自分でキャップをあけることすらできない様子だった。
あたしはベッドに座り、水野さんの頭を膝に乗せて、ペットボトルの水を口に流し込んであげた。
ひと口飲みこむと、水野さんはほっとしたようにスースーと寝息を立てて、眠ってしまった。
あたしはしばらくそのままの姿勢で、水野さんの寝顔を見下ろしていた。
長いまつげ。
凛々しい眉。
魅力的な唇……
男の人なのに、なんてきれいな寝顔なんだろ。
なんか、ずっと見つめてたいかも。


