男子トイレのそばで待っていると、水野さんがよろめきながら出てきた。
「水野さん、大丈夫ですか?」
「ああ、かりんちゃん。
うーん、だいぶ飲まされたなぁ。
なんか、俺もうだめかも……」
もうほとんどまぶたがくっついている状態の水野さんに、あたしは肩を貸した。
「あの、無理しないで、部屋に戻って休まれたらいかがです?
お部屋、何号室ですか?」
しかし、水野さんはもう答えられる状態ではないようで、意味不明なことをつぶやくばかりだった。
宴会場に戻ったら、また大前さんに飲まされちゃうだろうな。
どうしようか……
あたしはしかたなく、水野さんを自分の部屋に連れて行って休ませることにした。


