イケメン☆パーティー


しかし、大前さんは一歩も引かずに水野さんをつついた。

「ほんとかあ?
さっきだって、経理だか人事のキャピキャピしたのがおまえんとこに群がって騒がしいのなんの。
ちょっとはこっちにも回せよ」

「何言ってるんですか、僕なんかより大前さんの方がずっとモテるじゃないですか。
さっきの子たちだって、みんな大前さんのトークに釘付けだったから、僕、こっちに来たんじゃないですか」

「いやあ、あのピーチクパーチクは耳が痛くなってだめだわ。
ところで君、名前は?」


二人のマシンガントークに目を丸くしていたら、急に名前を聞かれ、びっくりしながら答えた。

「ああ、桜井です!」


水野さん一人の時は感じなかったけど、二人のテンポのいい掛け合いを聞いていると、二人ともいかにも営業の人って感じ。

大前さんはその後も口を閉じることなく喋り続けた。