お互いに気まずくなって、食べるでもなく、喋るでもなく、ただテーブルを見つめて座っていた。
先に口を開いたのは、舜の方だった。
「美沙子さんと会ってたのは事実だよ。
俺さ、実はいつか起業したいってずっと思っててさ。
美沙子さんの話、すごく参考になって。
それで、あの日かりんが先に帰ったあと、メアドと携帯番号交換して、暇なとき誘ってくれって頼んだんだ」
「…………」
「でも、別に浮気とかそういうんじゃなくて、ただ、起業のノウハウみたいなの教えてもらっただけだから」
「…………」
「信じられないかもしれないけど、それは本当だから」
「……いいの」
「え?」
あたしは舜を見つめた。
「だから、舜が美沙子さんと付き合うならそれでもいいの、あたし。
さっきも言ったように、本当にあたし、それについて嫉妬とかしてないから」


