「そんなに言うんなら、あたしだって言うけど、美沙子さんと朝までカラオケ行ったそうじゃない?
舜こそ、美沙子さんと付き合ってんじゃないの?」
「はあ?」
「ネタは上がってんのよ!
白状なさいよ」
「飲みに行っただけだっつーの。
その情報だって、水野から仕入れたんだろ。
やっぱおまえらできてんじゃねーか」
「たまたま聞いただけよ。
でもね、言っておくけど、あたしはその話を聞いてもこれっぽっちもなんとも思わなかったんだから。
嫉妬のかけらも感じなかったの。
それで気づいたの。
あたしは舜のこと、好きなわけじゃないんだって。
本当に好きなら、そんな話聞いたら少なからず妬くもんでしょ?
でも、あたし、なんとも思わなかったのよ……」
勢い込んでまくし立てていたあたしだったけど、最後はなんだか申し訳ないような悲しいような気持ちになって、声も小さくなっていった。
あたしのその様子を見て、舜も頭が冷えたようだった。
「…………」
「…………」


