マンガ、描かなくちゃなぁ。

水野さんに合わせる顔ないよ……


あたしは水野さんと飲みに行った後、新人賞に応募することに決めて再びマンガを描き始めた。

ところが仕事の忙しさを言い訳に、三日坊主になっていた。

べつに水野さんにマンガを描くことを宣言したわけではないのだけれど、社内で水野さんを見かけるたびに、なんとなく後ろめたく感じていたのだった。


「ハァー」

あたしがまた一つため息をついて、自動販売機からアイスティーの缶を取り上げていると、

「幸せが逃げてくぞー」

頭をポンと叩かれた。

振り返ると立っていたのは……