3学期の修了式の日。 「メアド教えて」 そのひとことを、あたしはどうしても言えなかった。 勇気がなくて。 断られるのがこわくて。 彼女でもないのにおかしいって、思われたくなくて。 みんなの前で堂々と泣くことのできるカレの彼女が、うらやましかった。 勇気のないあたしは、ここで泣くことさえ許されない、そんな資格はないんだって、唇をかんだ。 カレとはそれっきりになってしまった。