あれ?水野さん、ちょっと顔赤い。
それにいつもは『僕』って言う人なのに、今、『俺』って言った。
酔ってる?
あたしは、そんなことを思いながら相槌を打った。
「そのときに聴いた話の中で、一番印象に残ってるのが、2:6:2の話でね。
会社でも何でも、人の集団は、2:6:2に分かれるらしいんだけどさ、
かりんちゃん、この2:6:2の比率、なんのことだかわかる?」
「いいえ、わからないです」
「これはさ、『できるやつ、普通のやつ、できないやつ』の比率なんだ。
会社に100人いれば、そのうちの20人はできるやつ。
そのできるやつが会社を引っ張っていく。
うちの会社でいえば、リーダーとかマネージャーとかだね」
あたしは頭の中で、会社のリーダー、マネージャーの数をざっと数えてみた。
「ああ、なるほど」


