「孫ってかわいいもんですなぁ」 「そうですね。ほんまにかわいいです」 もうみんな帰ってしまっていて、グラウンドには私と稔さんしかいなかった。 「途中まで一緒に帰らへんか?」 稔さんに誘ってもらえて、私は笑顔で頷いた。 美弥のおかげや。 「稔さん・・・バレンタインって知ってはりますか?」 「あぁ、チョコレートを好きな男の人にあげるっちゅうやつやろ?」 稔さん、知ってるんや。 しかも『好きな人にあげる』ってことまで知ってるってことは 私が渡したら、『好き』ってバレてしまうんやな。