10コール目…。


諦めようとしたその時



『はい?』



高島君の声が聞こえた。

聞こえたその声にホッとする私。

思わず涙ぐむ。



『実莉?
昨日は悪かったな?
何かあったのか?』



私が涙をこらえてると、高島君が静かに昨日とは違う暖かみのある声で喋る。


それだけで嬉しかった。



「私こそゴメンね。
用があった訳じゃなかったから大丈夫。
声聞きたくなっちゃって…。」


『そっか…。』



高島君は一言言うと黙る。

私もなぜか言葉が出て来なくて黙った。

お互いに黙ったまま暫く沈黙が続いて、どうしようって思った頃高島君は先に口を開いた。



『実莉はさぁ、毎日の様に連絡取らないとイヤってゆうかダメなの?』


「…え?」



高島君の質問に私は戸惑う。言葉に詰まって声が出ない私の代わりに、高島君は話を続けた。