「相原さん 426号室の患者さんの採血終わったの?」

先輩看護師が後ろから声をかけてきた。

「あっ すみません!今からしてきます。」


「なんていうか…あなた最近ボーっとしてる事が多いわよ。」

先輩看護師は大袈裟な溜め息をつくと私の肩に手を置いた。

「何か悩みでもあるなら話してみなさいよ。恋の悩み?そういえば410号室の佐藤さん あなたに気があるみたいだし…あっあと418号室の渡辺さんも…」


「採血してきます!」


私は先輩看護師の話が終わらないうちにナースステーションから出た。

頼りになるいい先輩なんだけど 一度捕まるとなかなか離してくれないのだ。