白い月〜destiny〜

「…。」

美月が息を飲んだのがわかった。


「僕は今の親に引き取られた。やっぱりクリスマスにはケーキを作ってくれたけど 靴下を下げることはしなかった。」

「それは…どうして…。」

「わかっていたからだよ。僕の本当に欲しい物はたとえサンタクロースでも持ってきてくれないことがね。」

「…。」

「でもいつも二番目に欲しい物はちゃんと枕元に置いてあった。」

「そう…。」



僕の中で黒いものが広がってくるのを感じた。