「だから自信があったのか?」
「ああ。あれで楔が切れるなら俺は死んでも良いと思った。それなら七海が思い出す事も無くなる…」
「…馬鹿野郎だ。お前は大馬鹿野郎だよ…!」

苅麻が泣きながら言う。

「じゃぁ、帰ろうか。二人が心配してるぞ」
「…だな」

二人は歩き出す。

「きっと、傷だらけの俺ら見たら二人が騒ぐんだろうな〜」
「良いじゃないか。心配してくれる人が居て」
「…今度四人でどっか遊びに行こうか?」
「おっ、良いねぇ。どこ行く?」
「ん〜海でも行くかぁ」

二人と一匹は傷だらけの体を引きずりながらホテルを目指す。
きっと…宇佐兎は目を吊り上げて怒り、七海は泣くだろう。
だけど…俺達は笑顔で言おう。

ただいま…と。