「うそおっ?そんな事あったんだ?」

朝のHRの前の1番クラスが騒がしい時間
うっかり漢文の予習を忘れて必死にノートに本文を書き写していると、陸がやって来た
そして昨日の放課後起こったまさかの出来事の話を聞いた

「そーそー。爽樹、昨日来なかったけど、大丈夫だったか?」
「あー。うん。昨日は特に何も無かったよ」
「そっか。良かった」
「陸は?」
「俺は勿論大丈夫だって」

意外と平然と喋るから、試合前には必ずお腹痛くなる極度のヘタレは直ったのかな。と思った
手を動かしながら色々考える

あたし達の近くかぁ…
誰だろう、例えば、友達
去年まで居た先輩とか
部活の後輩とか
補講の先生とか担任の先生とか
食堂の調理員さんとか

あー…周りって言ってもこの学校には生徒だけでも1000人近く居るんだし
あたし達が見た事無い人だって喋った事無い人だって沢山居るし
それに皆、どうせ頭良いし
大変だなぁ

「朱雀さんも言ってたけど、大祐とかも心配だなあ…」
「そうだねぇ…」

「俺が何だって?」

「わ、びびったぁ」
「あ、おはよー大祐」
「おはよ。朝から何深刻な顔して話してんだよ。進路?」