私は私服に着替えて、玄関にあるピンクの傘を持った。


「姉ちゃん!?雨の日に出かけんの?珍しー!」

「まぁね。淳も出かけなよ?」

私はゲームばかりしている弟に話しかけてから家を出た。


そしていつもの場所に向かう。


「雫。おはよう。」


ー‥はずだったんだけど。

「レイン!?なんでいつも背後にいるの!?

‥しかもここは私の家の前だよ?」

「家から君を見てたから。」

「‥ストーカー?」

「ストーカーって何?」

レインは不思議そうな顔をした。

「カタカナの単語は嫌いなんだね?」

他にも、今はやりの言葉などはレインには理解できないらしい。

「‥僕は、実を言うと文字すら書けないんだ。」

レインは微笑しながら言った。