「あっ遥っ!!」
「何っ!?」

顔をばぁっと輝かせて呼ぶ綾乃ちゃん。
顔をぱあっと輝かせて聞く俺。

「あたしの友達が遥のメアド
聞きたいんだってさっ!!
教えてあげちゃっていいかな??」
「え・・・」

あたしの友達。
その言葉が俺に刺さる。
綾乃ちゃんには俺から進んで教えた。
綾乃ちゃんだから。
でも、
綾乃ちゃんのお願いだから、

「いいよっ♪」
笑顔でいいと言うしかなかった。

綾乃ちゃんにとっての俺は
単なる友達?
単なる後輩?

考えれば考えるだけ
心が痛む。

「わぁ~ありがとうっ!!」

早速携帯をいじりだす綾乃ちゃん。

その嬉しそうな横顔が
俺には・・・

俺は単なる友達。

そう言われてるようで、
すごく切なかった。

初めての感覚。
もしかしたら最初で最後の
感覚なのかもしれない。

「あああああくそーっ!!」

叫びながら来た人物。
「優さん・・・!?」
どんだけ髪をぐしゃぐしゃに
したのか分からないくらい
ぐしゃぐしゃだった。