それはー10年前ー

あたしはある男の子と出会った。
何回も遊んでいるうちに
その子が好きになったんだ。

でもその子は引っ越すことになった。


だからあたしは、
2つ持っていたビー玉をあげた。


またいつか、
出会ったとき、
分かるように・・・


今思えば名前を聞けば
良かった話なのに・・・




「綾乃ちゃん!」
「えっ!?」
「大丈夫?」

現実に引き戻された。

「あっうん!」

でもビー玉はたくさんあるから。
空が持ってたのは偶然だよね。


そう思った。

ううん、
そう思いたかっただけ,

なのかもしれない。