それを拾ってみると

「これ・・・」
空の大事にしてる
ビー玉だった。

前に聞いたら“俺の宝物”
そう言っていた。

「空?これ落ちてたよ?」
「・・・ぁぁ」
「どこにおいておけばいい?」
「ぁげる」

・・・

「え?」
「遥に・・やるよ」

だってこれ宝物なんじゃ・・・
俺の心を読み取った空は

「ぃや・・・ただのビー玉だし。
ぁげる・・・よ」
「じゃあ貰うっ!」
「ん・・・」

「ほら・・・そろそろ行きな?
風邪うつるから・・・」
「え~・・・」
「行きなさい・・・」

ここまで言われたら、
「はぁい・・・」
うなずくしかない。

じゃあおだいじにね?
そう一言残して部屋を出て行った。

きれいな空の宝物の・・・
宝物だったビー玉を握って。