今日は彩香と会う日。
女みたいに服を悩んだ今日。

「ま、いいだろ」

ぽっけに手を突っ込んで
待ち合わせ場所に向かう。

するとメールが来た。

Re優雅へ

ついに待ちに待ったデートだね、
いつもみたいにすぐ襲うなよ?
嫌われちゃうから。
じゃ優雅の初恋の相手によろしく、

            空

「・・・チッ」

言うんじゃなかった・・・
でも確かに何でだ?
俺ならすぐやってもおかしくない・・・

綾乃といい彩香といい・・・
俺がおかしいのか?

「優雅さんっ!」
考えているうちに着いた。
向こうには可愛らしい
春っぽいワンピースを着た少女。
彩香だ。

「お前・・・」
「?」
「中学生みてぇ笑」
「なっ!」

でも間違ってない。
きっとこれはすっぴんだ。
高校生には見えない。

「わりぃ笑、じゃ行くぞ」
そう言って一応俺なりに遠慮して
手をつながずに歩いた。

俺の足が止まる。
彩香が俺の服のすそを掴んだ。

「・・・あ?」
顔が赤くなるのを抑えた。

「つ・・・なぃ・・か?」
外の音にかき消されそうな声。
でも俺には聞こえた。