重い足取りで、帰ってくる佐紀達

三田 「どうしたんだ。
    いつも通りすれば、いいんだろ?

    今までやってきた練習を、
    思い出せ」

佐紀達は、下を向いたまま、反応しない。

三田 「お前達のバスケットは、
    一生懸命のバスケットだ。

    スマートなプレーなんか、
    要らないんだ。

    そんなの、練習してないだろう?」

しかし、佐紀達は、下を向いたまま、
反応しない。

三田は、もどかしそうに、手を振る

三田 「もういい、後半に備えて、
    休んでおけ」

難しい顔の三田

ベンチに座り、タオルを頭から被り
深く頭を落とす、佐紀



皆、居なくなり、3人だけになった観覧席

里香 「何、してんだよ」

歩美 「佐紀が、あんなんじゃ
    もう、ダメじゃん」

華子 「ああ、もう、見てられない。
    ちょっと、行ってくるわ」


立ち上がり、アリーナへ下りて行く華子