店の、備え付けの本棚を見て

歩美 「わあ、これ、スラム・ダンク。
    全巻、揃ってる」

梨沙は、胸を張り、

梨沙 「これ、常識」

華子 「私も、持ってるわよ」

佐紀 「えっ、華子、漫画、読むの?」

華子 「私だって、
    マンガくらい、読むわよ」

千奈 「えー、似合わない」

ちょっと、むっとする華子

華子 「じゃあ、どんなのだったら
    いいの?」

梨沙 「そうだなあ。クラッシックでも
    聞きながら、詩集なんぞを…」

千奈 「そいでもって、
    紅茶なんかを、こう…」

小指を立てて、ティー・カップを持つ千奈

歩美 「ハハハ、それ、ウケる」

里香 「華子って、結構、天然なのよ」

歩美 「この前なんか…」

華子 「やめて」

佐紀 「へー、そうなんだ」

華子 「嘘よ、嘘、嘘」

真っ赤になって、必死に否定する華子

梨沙 「いいじゃん。その方が、
    親近感、あるしぃ」



雅美 「佐紀だって、この間…」

佐紀 「私、何も、ないよ」

雅美 「ほら、この前の金曜日、
    バス亭で…」

友理 「あー、そやそや。あん時…」

大声で、友理の言葉を遮る、佐紀

佐紀 「うわーーーー。わかった。
    言わないでー」

友理 「ハハハ、佐紀、真っ赤や」

全員 「ハハハハハ」



カウンターに居た、馴染み客が

客  「みんなで、勉強してるんじゃ、
    なかったのかい?」

笑顔の佐紀達を見ながら、優しい笑顔で

母  「まっ、1日くらい、いいわ」


大きな笑い声は、華子達が帰るまで続いた