三田が、立ち上がる。

三田 「よし、じゃあ、講義、始めるぞ」

全員、席につく

三田 「講義も、これが、最後だ。
    最後に、ベストを尽くすことの
    大切さを、話そう。

    試合は、最後の笛が鳴るまで
    わからない。

    残分3で、10点差は、
    ちょっとの、きっかけで
    ひっくり返すことが出来る。

    試合中に、勝ったと思うと、
    楽しようとして、足が止まる。
    足が止まると、微妙に、
    タイミングがずれて、
    プレーが、上手く行かなくなる。

    ディフェンスも、微妙に、遅れる。
    そして、相手に、追い上げられる。

    すると、あせりが、さらに、
    プレーを、噛み合わなくさせる。

    そうやって、負けていったチームを
    俺は、何回も、見ている。

    勝ち負けは、結果だ。
    終らなければ、わからないんだ。
    途中で、判断してはいけない。

    得点を見ると、勝ち負けを考える。
    だから、得点を見てはいけない。
    自分のすべき事に、集中するんだ。

    全てやって、負けたのなら、
    それは、仕方ないじゃないか。
    後悔は、全てをやらなかったから
    起こるんだ。

    だから、最後まで、
    ベストを尽くす事を考えるんだ。

    そうすれば、結果はどうであれ、
    素直に受け入れられると、思う」

皆を見回す三田

皆、真剣に聞いている