夕紀が、ランニングから、帰って来た。

顧問 「ああ、よかった。
    亜紀、コーチは?」

夕紀 「私、夕紀です」

顧問 「えっ、ああ、そうか。
    ああっ、もう、紛らわしい。
    どっちでもいいから、
    コーチは?」

夕紀 「来てませんけど」

顧問 「そっ、そうか。どうしよう」

オロオロしている顧問



亜紀や千尋、1年生たちが、
次々と、ランニングから帰ってきた。

皆が、顧問を、取り囲み

亜紀 「先生、どうしたんですか?」

顧問 「いや、ちょっと、コーチに、話が」

亜紀 「コーチ、しばらく、来ませんよ」

顧問 「えっ。あっ、そうか。
    そうだったな。どうしよう」

夕紀 「先生、電話は?」

顧問 「おっ、そうだ。
    携帯、聞いてたんだった」

果歩 「先生、しっかりしてよ」



顧問は携帯をかける。

呼び出し音は鳴るが、
なかなか出ないので、イライラする顧問

ようやく、三田が、電話に出る

顧問 「あっ、三田さん。
    港南の、高木です。
    仕事中、すみません。

    実は、今、県の中体連から、
    電話がありまして」

顧問は、皆が自分を見ているのに気付いて
受話器を手で覆い、皆から離れて行く