友理 「私立は、お金、かかるもんね。
佐紀は、どないしてるのん」
佐紀 「私は、家勉。通信教育なんだ」
梨沙 「いいなあ、佐紀は。
家だったら、
お菓子食べながらでも
できるじゃん」
佐紀 「そんなこと、しないよ」
梨沙 「ママが、アンタは、家では、
絶対、勉強しないって。
誰かに、見張ってもらわなくちゃ、
ダメなんだって。
まっ、言えてるんだけどね」
友理 「ハハハ、お母さん、
よう、知ってるやん」
佐紀 「友理は?」
友理 「私、今んとこ、何も。
やっぱ、何か、したほうが、
ええのんかなあ」
梨沙 「友理、そこそこのトコ、
行ってるじゃん。
佐紀なんか、何もしないでも、
受かるもんね」
佐紀 「そんなこと、ないよ」
友理 「またまたぁ、佐紀が落ちたら、
この学校、全滅やん」
梨沙 「いいなあ、将来に、
何の不安も無い人たちは…」
佐紀 「将来って、そんな、大袈裟な」
友理 「頑張ってや。また、一緒に、
バスケット、するんやろ」
梨沙 「うん。けど……」
友理 「なんや。悲観的やなあ。
梨沙らしゅう、ないで。
元気、出してや」
梨沙 「うん…」
校門を出てゆく、佐紀達

