放課後。

佐紀と梨沙が、校舎から出てくる

少しして、友理が、出て来る

友理 「佐紀ー、梨沙ー、待ってやー」

立ち止まり、振り返る2人

佐紀 「もう、友理、遅いよー」

追いつく、友理

友理 「もう、そんな早う、
    帰らんでもええやん」

佐紀 「だって、残っても、
    する事、ないんだもん」

友理 「せやなぁ。
    部活がないと、暇やなあ」

佐紀 「じゃあ、今度、
    練習、行ってみる?」

友理 「えー、今、基礎練やん。
    あれは、もう、やりとうないわ」

佐紀 「ボール、ほとんど、
    使わないもんね」

友理 「ボール、使わなんだら、
    オモロいことも、何も無いやん。
    もっと、オモロい練習になったら、
    また行こ?」

いつもツッコミを入れる、賑やかな梨沙が、
黙って聞いている。

佐紀 「梨沙、どうしたの?」

梨沙 「私、塾、行かなきゃならないから、
    行けない」

佐紀 「えっ、梨沙、塾、行ってるの?」

梨沙 「うん、明日から、行くんだ。
    今の成績じゃ、
    ここの高校、微妙だもん。

    ママが、私立は、ダメって言うし、

    それに、佐紀や友理と違う学校には
    行きたくないしー」