1列に並んで

佐紀 「応援、ありがとうございました」

全員 「ありがとうございました」

華子が、佐紀の前に来て

華子 「ゴメンね。痛かった?」

佐紀 「ううん。あれで、目が覚めたから」

華子 「いくら言っても、
    ダメだと思ったのよ。
    もう、完全に、
    舞い上がってたからね。

    コーチも、たぶん、
    叩きたかったと思うわよ。

    でも、コーチは、出来ないから…」

梨沙 「びっくりしたじゃん」

友理 「あれでウチらも、
    気合、入ったんや」

佐紀 「ごめん。でも、勝てなかった」

華子 「いいのよ、それは。

    今なら、黒田コーチの気持ちが、
    分かるような気がするわ。
    きっと、歯痒かったんでしょうね」

友理 「でも、殴ったらアカン」

華子 「そうね。でも、
    叩かれなきゃ判らないことも、
    あるのかもね」

雅美 「港北が出てたら、
    優勝してたのに……。ごめん」

華子 「私達だって、どうなってたか…。
    それは、誰にも、わからないわよ」

雅美 「……そうだね」