ティナは天蓋つきのベッドの上で静かに眠っていた。


いつもはピンク色の唇も今は青白い。


まだ血が足りていないのだろう。


まだ意識は戻らずレオンは生気を与えるだけしか出来なかった。


早く目を覚ましてくれ。


レオンはベッドの傍に立ち真っ暗な外を窓ガラス越しに見ていた。


ジェイソン・・・。


我が異母兄弟・・・彼は昔、父親ガナンシア王に歯向かい戦いを挑んだ。


未熟者だったジェイソンはあっけなく負け、息子に情けをかけたガナンシアは城に近づく事を禁じられた。


あれ以来レオンはジェイソンの姿を見ていなかった。


タイラーの話ではあの後もう一度、ガナンシア王を殺害しようと企てたらしいがやはりガナンシア王に勝つ事ができずに消えたそうだ。