布団をかけて、理性をフル活用して、僕はその場から離れた。

触れるのも、話すのも、緊張した。

他愛ないなんて嘘。

声が震えてないか、ちゃんと笑えてるか、不安だらけなんだ。

こんなヘタレを君はどう思う?

至近距離でオトを見るだけで、僕は君に恋をしているとただただ確認させられる。

でも、その場から動けない。

離れるのが怖くて、近づくのも怖くて、一定の距離をおいていたら、別のオオカミがきてしまいそうだね。

恋心を鎖ととらえれば、僕はすでにがんじがらめ。

君色の鎖が右手の小指から左手の薬指にいたるまで、僕を縛りつけている。

そういう錯覚。