まだまだ話す関口と名乗る男。

内容が、あまりにもおそまつなので、これはさすがに聞いてられなくなり、早めに切りあげたくなった。

「それってさ じっさい お前が使ってるわけ?」と核心をついてみた。

「使ってみてどうなの?」

やつは、一瞬 開いた口をさらに少しづつ開いたあと、あくびをしてごまかしながらごまかしきれずに笑ったような顔を作り、

「そ、 うだよな、これはまだ、おれも使ったことがない」



……沈黙……


ドリンクバーに行こうかな、これ関口の分は行かなくていいよな。一応聞くかなめんどくせぇな。もう。

グラスに手を掛けた瞬間。

ん?

何か空気が、変わった。


関口の目を見ると、次のことを考えていることがわかった。

商品でもサービスの販売でもなく、

一 緒 に 金 持 ち に な ろ う

その一点で、


その1点で突破してくるのだろう


とにかく身構えた。