実は、あの時。

あの女の子、松永さんが処分されればいい。
そう醜い感情を思った、あの時。


本当はそれ以上に、思ったことがあった。


松永さんが処分されれば、
一緒に居た璃久も処分されるはず。

そしたら、2人に何かあるのかもって周りが騒ぎ立てて。


あたしの居ない、入れない、学校って小さな世界で……璃久と松永さんがもっと近付いちゃう。


それが嫌で嫌で仕方なかったんだ。



「……ごめんな」



謝らないで欲しい。

今のあたしは璃久が謝れば謝るほど、
松永さんを庇ってるようにしか思えない。

あたしの心の中はドロドロなんだよ。


純粋に助けたわけじゃないんだよ。