璃久だっ!



大声で叫びたいけど。
さすがにそれはヤバイ気がした。


でも気付いて欲しくて、大きく手を振ってみる。


もう、それは体中で表現しているってなくらいの大袈裟な振り方。

中々気付いてくれない璃久に、どんどん距離を縮めながら手を振り続けた。


後少しってとこで、璃久はようやく気付いてくれて。


大きな目を、更に大きく開いてあたしを見つめ返す。



「璃ーっ…んぐ!」



これくらいの距離なら名前を呼んでも大丈夫!

あたしが声を出そうとした時、
有り得ないくらいの速さで走って来た璃久に口を塞がれ、


気付けばあたしはトイレの裏にまで引っ張っていかれていた。