「あのー、すみません」 「はい?」 「このお店なんですけど、どの辺かわからなくて。 教えてもらえますか?」 携帯に映し出されている地図を見せながら、店員さんの顔を見上げる。 遠くから見るよりも、その店員さんの身長は高くて。 首を精一杯上に向けた瞬間。 「あ、れ?」 その店員さんと目が合うと、あたしは目をパチパチと何度も瞬きさせた。 「どこかで会ったことある?」 首を傾げるあたしに、店員さんは 「逆ナン?」 って少し鬱陶しそうに答える。