お店には、光さんが先に予約を入れてくれていた。ハワイアンティストの店内を案内され、用意されていた席は、カーテンで仕切られた個室だった。天井も高く、窓も多い為、日差しがよく入る明るい内装だ。BGMはウクレレで奏でたハワイアンミュージックが流れている。


そんな陽気な雰囲気に解されて、私の肩の力は少し抜けた。


注文だけ先に済ますと、私はいよいよ…と、軽く息を整える。


「あの…光さん。実は私…。」


これ以上言うのは辛い。言いにくい。でも言わないと。


光さんは、優しい目をして真っすぐに私の言葉を待ってくれている。


「私、勇輝さんとお付き合いする事になりました。」


言えた。