「今日は月が綺麗やな。」 その言葉に誘われるように、私も月を眺めた。 吸い込まれそうな、綺麗な満月。 勇輝さんって、意外とロマンティックなんだ。 視線を勇輝さんに戻すと、勇輝さんは私を見ていた。 思わず、目を下に背けてしまう。 勇輝さんから貰ったネックレスが、視界に入る。 これも月。 「月、綺麗ですね。」 やっとの思いで、私はそれだけを告げた。 私の言葉が合図だったかのように、勇輝さんが私の方へ、ゆっくり近づいてくる。 一歩。…また一歩。 そして私のすぐ横まで来て――隣に座った。。