「ほら…!!!!来たよ。直が。」


俺の目に映る光景は


まるで


映画の中のようだった…






なぜか


涙が出そうになった。




自分以外の恋愛で


こんなにも感情移入したこと…なかったよ。




先生に向かって


一直線に走る直。



大きく手を広げる先生。




俺とゆかりは



先生と直の2人の


とても大事な歴史の1ページをこっそり

見てしまった。





となりで、涙を流すゆかりの肩を抱く。


お前も嬉しいんだな…


いつも自分のことのように

喜んで

悲しんで


いつもいつも 心配してたもんな…




微笑みあう先生と直が


窓の外を見た。



「やべぇ…」



とっさに窓から隠れた俺とゆかりは


くすくすって笑い合い、キスをした。




負けないぞ…



俺も


負けないくらい



ゆかりを愛して


ゆかりを幸せにするんだ…