美亜は一足先に教習所を卒業し、今はバイト三昧。
その訳は…隆介。
何かに夢中になっていないと、苦しいんだって美亜は話してくれた。
素直に話してくれた美亜と、
本当の友情が芽生え始めてる事を感じてた。
そして、今日…
ビッグニュースが飛び込んで来た。
「ちょっと~~~!!!!ゆかり、大変!!」
興奮しすぎて次の言葉が出ない美亜をゆっくりと椅子に座らせた。
大きく2度、深呼吸をした美亜が話し出す。
「あのね、昨日隆介の部屋で高校時代の写真見てたんだ。隆介ピッチャーだったんだけど、いつもエースは違う人だったんだって。そのエースの名前が…」
そこまで一気に言うと、美亜はまた息を飲む。
「…びっくりするよ!!…あのね、健太って言うんだって!!」
前置きが長かったわりに、私は何のことだかさっぱりわからなかった。
首をかしげた私の首を美亜が真っ直ぐに戻す。
「覚えてないの~?あの、時計売り場で会ったカップル!!」
あ…!!
思い出した。
確か、健太って名前の彼氏だった。
彼女は、鈴子って名前で美亜はあの『鈴子』だったりして…って言ってた。
…え…
まさか!?
「思い出した??そうなの!!あのイチャイチャしてたカップルの彼氏の方が隆介の野球部のライバルの健太…そして…あの…」
美亜の話し方が、サスペンスのナレーションのようで笑ってしまいそうになった。
「あの彼氏に甘えまくりだった子が本物の鈴子!写真見て、確信したよ!」
そんな偶然ってある??
でも、あれが鈴子だとしたら…
美亜的には安心だよね。
あんなにラブラブな彼氏がいるんだから。