私…すごく感動したんだ。


本当は、せっかくの2人きりの時間…絶対いろんな話とかしたかったと思うんだ。


先生も、直も…




だけど、2人の愛は未来へと続いてるんだね。

今我慢することで、長い長い未来につながるんだ。



「先生、寂しくないの?」


「…寂しいよ。そりゃ…いくら電話で話しても、抱きしめたいと思うよ。」


先生は、腕組みして天井を見上げた。

そっか…大人だと思ってたけど、先生も寂しいんだね。


恋愛に、大人も子供もないんだよね。


「でも、心が寂しくないから頑張れる。俺と直は、今まで何度か別れてきたから、心が通わない寂しさを知ってる。それに比べれば、今の寂しさなんてたいしたことない。」


2回別れたんだよね、先生と直って。


1回目は、先生から…

2回目は、直から…




どちらも、お互い愛し合ってるのに、相手のことを思いやりすぎて、自分の気持ちを押し殺して…


すごいよね。


私、無理。




大好きなのに、身を引くなんて…そんな勇気も覚悟もない。



「欲求不満になんないの?」


私のあまりの直球な質問に、先生は顔を赤らめて笑ってる。



「ばか!!…お前みたいに変態じゃないから…」


「何よ~変態扱いしないでよ。先生だって、更衣室でエッチしたくせに!!」


また真っ赤になり、苦笑いしてる先生。


いじめるの…楽しい。


「こらぁ!!そんなこと言うなら、お前だってどっかの店の更衣室でエッチしたんだろ?」


2人で、こんな話をして笑ってた。

直が会って話せない分、私が代わりに話してあげる。


そして、ちゃんと一言一言報告してあげる。


直が見ることのできない、こんな先生の表情や、赤くなる顔…

ちゃんと、細かく直に教えてあげたい。



だから、穴が開く程、先生を見た。